ビッグデータから紐解く今後の消化器病診療

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統合プログラム4(W)(JDDW・日本肝臓学会・日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本消化器外科学会・日本消化器がん検診学会)

11月6日(金) 14:00〜17:00 第6会場(神戸ポートピアホテル 南館1F 大輪田B)

※氏名は敬称略

[司会]

伊藤 雅昭

国立がん研究センター東病院・大腸外科

建石 良介

東京大大学院・消化器内科学

山本 博之

東京大・医療品質評価学/東北大・医療データ科学

[演者]

平野 佑樹

国際医療福祉大成田病院・消化器外科

浜部 敦史

大阪大・消化器外科

水間 正道

東北大・消化器外科/日本膵臓学会膵癌登録委員会

伊藤 慎吾

湘南鎌倉総合病院・外科

小西 孝明

国立がん研究センターがん対策研究所・医療政策部/東京大大学院・乳腺・内分泌外科学/東京大大学院・臨床疫学・経済学

我妻 信和

京都大大学院・消化器内科学

西田 裕

大阪公立大大学院・消化器内科学

佐々木 公將

国立がん研究センター東病院・医療機器開発推進部

杉森 慎

横浜市立大市民総合医療センター・がんゲノム診療科/横浜市立大市民総合医療センター・消化器内科

河野 豊

札幌医大・腫瘍内科

新村 健介

国立がん研究センター東病院・消化管内視鏡科

奥新 和也

東京大大学院・消化器内科学

伊藤 雅昭

建石 良介

山本 博之

 少子高齢化による医療人材不足や診療の地域偏在が進む中、ビッグデータの活用は解決策の1つとして期待されており、全国のレジストリやレセプトデータベース(NDB)、手術動画、ゲノム情報などを活用し、診療の標準化や個別化医療の実現につなげる取り組みが加速している。司会の伊藤雅昭氏は、「本セッションでは、大規模データ解析に加え、人工知能(AI)による外科技能評価や手術支援、ゲノムデータ統合解析など次世代医療を見据えた研究が集結する。ビッグデータそのものではなく、“データにより何が解決できるのか”を問いたい。」と話す。

さまざまな実態を明らかにし、可能性を切り開く

 外科領域では、全国データを用いた研究が並ぶ。平野祐樹氏は、診断群分類包括評価(DPC)データから一期的食道切除再建術約4万例を抽出し、周術期の薬剤投与や各種処置と短期成績との関連を報告する。浜部敦史氏は、NCDに登録された右半結腸切除術と低位前方切除術、それぞれ12万例超の解析から、大腸がん低侵襲手術の成績と地域特性や患者背景との関連を示す。また、水間正道氏はNCD膵がん登録の現状整理や集学的治療の実態、高齢患者の生存解析を通じて、膵がん診療の進歩に向けたデータベースの活用を展望する。

 レセプトデータの活用については、伊藤慎吾氏がNDBオープンデータを用いて2014~23年の虫垂切除術を解析し、手術件数や腹腔鏡手術実施率の地域差と外科医数や医療資源の偏在との関連から、虫垂炎診療の実態を明らかにする。肝疾患領域では、小西孝明氏がNDBの活用状況と今後の展望を概説するとともに、B型・C型肝炎、肝硬変、肝がんを対象とした臨床疫学研究への応用を示す。

 医療経済や安全性に関する研究もある。我妻信和氏は、大腸がんの進行度を同定するアルゴリズムを後期高齢者医療制度のレセプトデータに適用し、高齢者における進行度別の医療費構造を明らかにする。西田裕氏は、MDV(Medical Data Vision)を用いて潰瘍性大腸炎に対するadvanced therapy(ADT)の治療別の重症感染症リスクや感染部位を比較し、安全性を評価した結果を報告する。

最新技術との融合や日本独自の知見創出へ

 ビッグデータの活用はAIやゲノム医療にも広がる。佐々木公將氏は、2,000例以上の腹腔鏡下S状結腸切除術の手術動画からデータベースを構築し、AIによる自動技能評価システムを開発。術中・術後合併症との関連を検証し、外科技能の客観的評価への応用を目指す。杉森慎氏は、C-CAT、AACR Project GENIE、MSK-IMPACTのがんゲノムデータを統合し、膵がん1万2,538例を対象にNRG1融合遺伝子陽性症例の臨床ゲノム学的特徴を提示する。また河野豊氏は、世界保健機関(WHO)国際副作用データベース(VigiBase)を用いた解析から、タモキシフェン投与時のビタミンD3製剤併用による脂肪肝炎の発症抑制効果について報告する。

 全国データに基づき患者像を捉える試みも取り上げる。新村健介氏は、全国がん登録データから若年性大腸がん(EoCRC)の臨床病理学的特徴と予後を解析し、EoCRCは全大腸がんの約5%を占め、女性や健診発見例が多く、左側結腸がんや印環細胞がんの割合が高いことなどを明らかにする。奥新和也氏は、日本発エビデンスの創出を目指し、原発性肝癌追跡調査、肝癌・非代償性肝硬変レジストリ(REAL)、薬物療法レジストリ(HERITAGE)を統合した肝疾患ナショナルレジストリの取り組みを紹介する。

 ビッグデータの活用を広げることで、将来的には患者背景に応じた最適な治療法の提示や予後予測といった診療支援システムの実現も可能になるという。伊藤氏は「ビッグデータの本質は、患者背景、治療内容、そしてアウトカムを結び付けることにある。ビッグデータをどう活用し、何を目指すべきかを考える機会にしてほしい」と呼びかける。

※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。

JDDW 2027 KOBE JDDW 2027 KOBE

第69回日本消化器病学会大会

[会長]大平 弘正
(福島県立医科大学 消化器内科)

第114回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]阿部 展次
(杏林大学 消化器・一般外科)

第31回日本肝臓学会大会

[会長]芥田 憲夫
(虎の門病院 肝臓内科)

第25回日本消化器外科学会大会

[会長]五井 孝憲
(福井大学 外科学(1))

第65回日本消化器がん検診学会大会

[会長]小田 丈二
(こころとからだの元氣プラザ 消化器内科)

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