アルドステロン拮抗薬の再評価
北里研究所病院糖尿病センターセンター長 山田悟
研究の背景:RA系阻害薬の併用の成績はふるわなかった
糖尿病合併症の発症機序にはさまざまな仮説が提唱されているが,その一つが臓器内レニン・アンジオテンシン(RA)系の活性化であり,RA系を阻害することは糖尿病合併症を含めさまざまな原因による血管障害の予防に有用だとされている。RA系阻害薬には,直接的レニン阻害薬,ACE阻害薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB),アルドステロン拮抗薬の4種が存在するが,中でも歴史的な開発の経緯からACE阻害薬とARBの価値は確立されている。
しかし,この両者ではアルドステロン・ブレークスルーと呼ばれる現象を防ぎきれず,さらなるRA系の阻害が必要であることも周知のことであり(Am J Hypertens 2003;16:781-788,Nat Clin Pract Nephrol 2007;3:486-492),RA系阻害薬の併用の有用性を検証するさまざまな試験が行われてきた。しかし,直接的レニン阻害薬とACE阻害薬もしくはARBの併用(ASPIRE試験;Eur Heart J 2011;32:1227-1234),ACE阻害薬とARBの併用(ONTARGET試験;N Engl J Med 2008;358:1547-1559)は治療効果を高めずに有害作用のみを増加させ,アルドステロン拮抗薬のエプレレノンはわが国では糖尿病腎症患者には禁忌とされており,併用どころかそもそも投与ができなかった。
このたび,新たなアルドステロン拮抗薬であるfinerenoneの糖尿病腎症に対する有効性がJAMA (2015;314:884-894)に報告され,今後の糖尿病腎症の治療のあり方に一石を投じているのでご紹介したい。
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山田 悟(やまだ さとる)
1994年,慶應義塾大学医学部を卒業し,同大学内科学教室に入局。東京都済生会中央病院などの勤務を経て,2002年から北里研究所病院で勤務。 現在,同院糖尿病センター長。診療に従事する傍ら,2型糖尿病についての臨床研究や1型糖尿病の動物実験を進める。日本糖尿病学会の糖尿病専門医および指導医。









