薬剤師のためのがん治療用語/治癒切除
用語の意味を把握しよう!
「治癒切除」ってなぁに? (1)、(2)のどちらの意味でしょう。
(1)完全に治すことを目的として、がんを残さず取り除く手術
(2)どんな病気も平癒させてしまう、一子相伝の厄除け秘術
こたえ:(1)
がんを残さず取り除く
"がんを治す"ためにはがんを体内から残さず取り除く必要があります。がんの治療方法は大きく分けて、外科治療(手術)、薬物治療、放射線治療の3つがありますが、がんを残さず取り除くことができるのは、多くのがんで、いまのところ手術のみと考えられています。
治癒切除とは、手術の中でも、がんを完全に治すことを目的として行われるもの、また、手術の結果、がんを残さず取り除けたと判断できた状態を指し、根治切除や根治手術と呼ぶこともあります。これに対して、がんを完全に取り除くことは難しいために、延命や症状を和らげることを目的として行う手術を非治癒切除といいます〈表〉。
表 手術後の治癒切除・非治癒切除の評価
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なお、術前の診断では治癒切除が可能だと思われていたものの、手術の結果、「がんを取りきれなかった(=非治癒切除)」と評価されるケースも少なくありません。
治癒切除が可能ながんとは
治癒切除可能と判断されるがんは、浸潤がそれほど深くなく、かつ、遠隔転移(他の臓器や遠くのリンパ節への転移)がないことが主な条件となります。また、近くのリンパ節であれば転移があったとしても、そのリンパ節を切除できれば治癒切除が可能と判断されます〈図〉。
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図 治癒切除の主な条件(胃がんを例に)
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Advance!! もっと詳しく知りたいあなたへ
「"残さず取り除いた"のに薬物療法?」
「治癒切除を行う」と「がん細胞が0になった」とは、残念ながら必ずしもイコールではありません。例えば、大腸がんのstage 0~stage Ⅲで治癒切除を行った患者さんの5年生存率は、81.3%と報告されています(大腸がん治療ガイドライン2010年版)。つまり、5年以内に約2割が再発し死亡していることになります。がん細胞は小さく、顕微鏡やMRIでもすべてを見つけ出すことが難しいため、体内に残っているかもしれないがん細胞を"退治"することを目的とし、治癒切除後も術後補助療法(アジュバント)を行うのです。
[PharmaTribune 2013年5月号掲載]
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