〈エニグマCase File 2〉消化器症状を伴う動悸、労作時呼吸困難が出現した47歳男性
日常診療で診断が難しい症例に出合ったら、あなたはどうしますか? 私たちは、診断困難な症例を「エニグマ症例」と名付けて全国から集め、それを発表する「未病・エニグマ症例検討会」を開いています。
このコーナーでは、総合診療医の登竜門ともいえる同検討会で発表された症例の中から優れたものを集め、クイズ形式で紹介していきます。「エニグマ」とは「謎」を意味する言葉で、第二次世界大戦で活躍したドイツの暗号機の名前としても有名。エニグマ症例をいかにスマートに診断・治療するかが、臨床医の腕の見せ所です。神は細部に宿る――注意深く観察することで、患者さんはきっとサインを示してくれるでしょう。
未病・エニグマ症例検討会 代表世話役 福生吉裕

【症例】47歳、男性
【主訴】動悸、労作時呼吸困難
【現病歴】201X年11月下旬より労作時呼吸困難、下腿浮腫や動悸が出現、12月初旬より症状増悪、下痢、嘔吐も出現した。12月9日近医受診、来院時、意識清明、血圧 132/89mmHg、脈拍数160/分・整、体温38.2℃、聴診では心雑音はなく、Ⅲ音聴取、呼吸音でラ音を聴取し、また下腿浮腫を認めた。血液検査では、WBC 21,500/μL、CRP 18.8 mg/dL、Cr 1.8mg/dLと高度炎症所見、腎機能低下があり、胸部X線写真で、両側胸水とうっ血像、右側優位の肺野透過性低下、また心電図上HR 160/分、心房粗動を認めた。そのため心不全、肺炎と診断され入院となった。
【既往歴】なし
【家族歴】父(79歳)75歳から高血圧
【生活歴】飲酒:機会飲酒、喫煙:なし
【入院時現症】
意識清明、血圧 132/89mmHg、脈拍160/分 整、体温38.2℃
頭部:頸静脈怒張あり
胸部:心雑音なし、Ⅲ音あり、呼吸音にラ音あり
腹部:平坦・軟、腸蠕動音は正常
四肢:下腿浮腫あり、痺れや筋力低下なし
【入院時検査所見】
WBC 12800/μL ↑、Hb 14.0g/dL、PLT 16.9×104/μL↓、AST 966IU/L↑、ALT 631IU/L↑、γGTP 240IU/L↑、T-Bil 2.4mg/dL↑、TP 4.1g/dL↓、Alb 2.0g/dL↓、CK 347IU/L↑、CK-MB 7.0IU/L、UA 9.7mg/dL↑、BUN 43.2mg/dL↑、Cr 1.87mg/dL↑、Na 133mEq/L↓、K 4.5mEq/L、Cl 101mEq/L、LDL-C 190mg/dL↑、HDL-C 58mg/dL、TG 245mg/dL↑、CRP 14.9mg/dL↑、Glu 109mg/dL、Trop T 0.237ng/mL↑、BNP 991.3pg/mL↑
【入院時心電図】

【入院時X線写真】

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