研究の背景:集中型急性期脳卒中サービスの影響と持続可能性を検討 世界的に脳卒中診療システムの構築が模索されている。脳卒中ユニット、遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA)静注療法、機械的血栓回収療法を必要としている脳卒中患者に提供するシステムとして、米国の脳卒中診療システム(包括的脳卒中センター、血栓回収脳卒中センター、一次脳卒中センター、脳卒中急性期応需病院によるネットワーク)が有名である。 英国では二大都市圏(ロンドンとグレーター・マンチェスター)において脳卒中診療の集約化が行われ、急性期脳卒中治療のhub and spokeモデルとなった。今回、全国統計局およびセンチネル脳卒中全国監査プログラム(SSNAP)の死亡率データにリンクされた病院エピソード統計(HES)データベースから抽出した患者レベルデータを用いた後ろ向き解析により、この集中型急性期脳卒中サービスの影響と持続可能性が検討され、その結果がBMJ(2019;364:l1)に発表されたので、解説する。