抗体検査の押さえどころ、教えます
研究の背景:prevalenceは有病率、seroprevalenceは感染者の累計
今回は、最近発表された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体検査の論文を取り上げる。抗体検査は各所で行われているが、見るべき「ポイント」がある。押さえどころ、というやつだ。そこを押さえておけば、どの抗体検査関係の論文を読んでも妥当性の高い解釈が可能になるだろう。
Havers FP, Reed C, Lim T, Montgomery JM, Klena JD, Hall AJ, et al. Seroprevalence of Antibodies to SARS-CoV-2 in 10 Sites in the United States, March 23-May 12, 2020. JAMA Intern Med [Internet]. 2020 Jul 21 [cited 2020 Jul 27]; Available from: https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2768834
論文タイトルにあるように、抗体検査はseroprevalenceを吟味するため行うのが基本だ。sero-とはserum(血清)のことであり、prevalenceはどのくらいはびこっているか、を表現する名詞だ。通常、医学領域ではprevalenceは「有病率」と和訳し、ある集団、ある瞬間(あるいは期間)において、当該疾患を持った者が何人いるか、を示している。しかし、seroprevalenceは血清中の抗体陽性の頻度を出しており、それはほとんどが「過去の感染」を示している。よって、seroprevalenceは有病率ではない。累積された過去の感染者の総計だ。この点は注意が必要だ。ただし、これはあくまでも「ざっくり」した言い方で、後述するように解釈はちょっとややこしい。
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岩田 健太郎(いわた けんたろう)

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。
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