コロナワクチン、3回目接種の効果
研究の背景:中和抗体価は漸減するが抗体価=ワクチン効果ではない
NEJMに話題の論文が掲載されたので、いつもより早めに投稿する。重要な論文だ。
イスラエルで行われた研究である。
イスラエルは、世界で最も早くコロナワクチンの接種を進めた国として知られる。2021年3月には人口の半数が2回のワクチン接種(full vaccination) を受けていた。が、海外からの変異株(デルタ株)の流入などで感染者が増加。2回のワクチン接種だけで大丈夫なのか、という懸念が生じていた。
一方、ワクチンの効果は時間とともに目減りしていくことも示唆されている。中和抗体のタイターが時間とともに下がっていくのだ。もっとも、中和抗体はあくまでも液性免疫の指標であり、細胞性免疫の効果を正確に反映しているわけではない。抗体価=ワクチンの力、でないことには注意が必要だ。つまり、ワクチンの効果が落ちているかについても、実際の患者で、つまりリアルワールドデータで調べる必要があるのだ。
こうした状況を受けて、イスラエルでは2021年7月12日からハイリスク患者に対する追加のブースターとして、3回目のワクチン接種が承認された。その対象は拡大され、7月30日には60歳以上の全ての国民に追加接種が認められた。この60歳以上を対象としたリアルワールドデータの解析が、今回の研究である。
Bar-On YM, Goldberg Y, Mandel M, Bodenheimer O, Freedman L, Kalkstein N, et al. Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel. N Engl J Med. 2021 Sep 15; doi:10.1056/NEJMor2114255. Online ahead of print.
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岩田 健太郎(いわた けんたろう)

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。
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