機械的血栓回収療法前のrt-PAはスキップ不可

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研究の背景:転送前のIVTの効果は明らかでない

 2015年から前方循環(内頸動脈系)の主幹動脈閉塞(LVO)がある急性期脳梗塞症例において血管内血栓回収療法〔EVT、機械的血栓回収療法(MT)〕の適応がある場合は、同療法は行うべき治療となった。さらに遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA)静注療法(IVT)の適応症例では、IVTを行った上でEVTを行うべきとしている。しかし、EVTのために一次脳卒中センター(PSC)から包括的脳卒中センター(CSC)へ転送する前にLVO患者に対して施行するIVTの効果は明らかでない。そこで、転送前にPSCでIVTを受けたLVO患者(EVTとのbridging therapy)とIVTを受けずに転送されEVTのみを受けたLVO患者を比較した観察研究のシステマチックレビューとメタ解析が行われた(Neurology 2023; 100: e1436-e1443)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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