MeVO shock! 非LVO脳梗塞への血管内治療、効果示せず

DISTAL試験とESCAPE-MeVO試験

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研究の背景:MeVOへの血管内治療、国際学会で3件の報告

 内頸動脈、中大脳動脈(M1 segment)、脳底動脈の大血管閉塞(large-vessel occlusion:LVO)を伴う脳梗塞に対する血管内治療 (endovascular treatment:EVT) は、安全かつ効果的であることが知られている。一方、中血管の閉塞(Medium-vessel occlusion:MeVO)や末梢血管の閉塞(distal vessel occlusion)に対するEVTの効果は不明である。

 今年(2025年)、米・ロサンゼルスで開催された国際脳卒中学会(International Stroke Conference:ISC、2月5~7日)で、MeVOに対するEVTの効果について3件の研究結果が報告されたが、いずれも有効性が示されなかった。うち2件がN Engl J Medに同時掲載されたので紹介する(①DISTAL試験:N Engl J Med 2025; 392: 1374-1384、②ESCAPE-MeVO試験:N Engl J Med 2025; 392: 1385-1395)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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