複数の脳所見と関連、注目の「APOEε4」を解説

アピキサバン投与中の心房細動患者で頭蓋内出血リスクを検討したコホート研究

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研究の背景:高まるAPOEε4への関心

 アルツハイマー病治療薬として登場したレカネマブやドナネマブなどの抗アミロイドβ抗体の副作用であるアミロイド関連画像異常(amyloid-related imaging abnormalities:ARIA)の発症リスクとしてアポリポ蛋白(APO)Eの変異体である「APOEε4」が挙げられており、この遺伝子多型への関心が高まっている。また、APOEε4は脳アミロイド血管症との関連が指摘され、さらにワルファリン治療を受けている心房細動患者における頭蓋内出血(ICH)の危険因子でもある。

 アピキサバン投与中の心房細動患者を対象に、APOEε4保有とICH(脳実質内出血、硬膜下出血、くも膜下出血)発症との関連を検討する前向きコホート研究が行われたので(JAMA Neurol 2025年6月23日オンライン版)紹介する。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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