CGRP標的片頭痛治療、衝撃的な提案/臨床ガイダンス

心血管高リスク例、脳卒中既往例の安全性に関するレビュー

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研究の背景:高リスク集団へのCGRP阻害薬は、長期安全性に懸念

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的としたモノクローナル抗体(mAb)やgepantなどは、片頭痛予防において大きな進歩をもたらし、従来の治療と比較して高い有効性と良好な忍容性を示している。

 臨床試験および実臨床データでは、特に主要な危険因子のない患者において、良好な心血管安全性プロファイルが示唆されるが、重大な心血管危険因子を有する患者や最近血管イベントを経験した患者におけるエビデンスは依然として限られている。したがって、高リスク集団におけるCGRP阻害薬の長期的な影響と安全性については、依然として懸念が残る。

 臨床的重要性が高まる領域であるCGRPを標的とした片頭痛治療の心血管および脳血管に対する安全性に焦点を当てたレビューを紹介する(Neurology 2025; 105: e213852)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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