<第17回>ADLなどに関係なく問題となる「高齢者の便秘」

高齢者の便秘をどう診るか(上)

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

82歳男性:

高血圧でアムロジン内服中。屋内の日常生活動作(ADL)は自立しているが、労作時は慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため息切れがある。便秘気味で数日に1回しか便が出ないためスッキリしないという・・・。

頻度の高い健康問題の1つ

 高齢者にとって便秘は非常に頻度の高い健康問題です。特に、認知機能が中等度に障害された場合には便意がなくなり、ADLが寝たきりに準じるようになれば便座に座り難くなるため、便秘の頻度が増すと考えられます。便秘は、認知機能やADLが保たれている場合にもしばしば問題となります。そして「認知機能は正常〜中等度の障害」「ADLは自立〜便座に介助で移動可能」程度の高齢者の便秘には、特に多くの対応が必要となります。今回は「高齢者の便秘をどう診るか」について考えます。

木村琢磨先生

木村 琢磨(きむら・たくま)

北里大学医学部総合診療医学・地域総合医療学准教授,北里大学東病院 総合診療・在宅支援センター長。

長野県生まれ。東邦大学医学部卒業,国立東京第二病院(現国立病院機構東京医療センター)で初期研修,国立病院東京医療センター総合診療科で後期研修,国立病院機構東埼玉病院総合診療科などを経て現職。

高齢者の臨床は「さまざまな症候・疾患への対応」「専門診療科への適切なコンサルテーション」「家族」「地域」を念頭に置く,「多職種との恊働」「継続性」を踏まえるなど総合診療医の持ち味を生かせる,やりがいのある領域であると考えています。本連載では,高齢者の臨床について横断的に考えていきたいと思っておりますので,先生方からの忌憚ないご意見をお待ちしております。

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