脳梗塞の原因に新概念

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研究の背景:新規の概念atrial cardiopathyが登場

 脳梗塞の3分の1は原因不明であり、潜因性脳梗塞と呼ばれている。潜因性脳梗塞の多くは塞栓性と考えられ、その原因として無症候性心房細動が示唆されているが、脳梗塞発症後3年以内に心房細動が見つかるのは3分の1未満である。心房細動が発生する前にatrial cardiopathyが存在し、それが血栓塞栓症を引き起こす可能性があることを示唆する新たな証拠が出てきている(Stroke 2018; 49: 980-986Curr Opin Neurol 2017; 30: 28-37Stroke 2016; 47: 895-900)。Atrial cardiopathyは異常心房基質(abnormal atrial substrate)を有し、左房心内膜の異常から左房内血栓を来しやすくなる病態を指す。Cardiovascular Health Study(CHS)では、atrial cardiopathyの幾つかのマーカーと虚血性脳卒中のリスクについて検討が行われた(Stroke 2018; 49: 980-986)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病研究センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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