「ヒアルロン酸の後釜薬」の毒々しい話
政治や企業の都合で患者の膝関節にヤバ系は困る
研究の背景:筋肉痙攣・痙直に保険適用されているA型ボツリヌス毒素
「酢豚の中のパイナップルが悩んでる。ここは自分の居場所なのか?」
いきなり賛否両論のつかみから始めたが、今回紹介するのは「変形性膝関節症(OA)患者の関節はボツリヌス毒素の居場所なのか?」という論文である(JBJS Open Access 2023; 8: e22.00121)。
ボツリヌス菌は1895年にソーセージで食中毒を起こす細菌として発見され、ラテン語でソーセージはボツルスと呼ばれることから命名された。この菌は神経毒であるボツリヌス毒素を分泌し、筋肉の麻痺を起こす。日本ではA型ボツリヌス毒素(商品名ボトックス)注射薬が、眼瞼痙攣、顔面痙攣、痙性斜頸、四肢痙縮、小児麻痺尖足、腋窩多汗症、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱などの筋肉痙攣・痙直の治療法として保険適用されている。むしろ最近は、美容整形における自由診療である「しわ取り注射」の方が保険治療よりも有名となっているかも知れない。
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川口 浩(かわぐち ひろし)
1985年、東京大学医学部医学科卒業。同大学整形外科助手、講師を経て2004年に助教授(2007年から准教授)。2013年、JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター・センター長。2019年、東京脳神経センター・整形外科脊椎外科部長。臨床の専門は脊椎外科、基礎研究の専門は骨・軟骨の分子生物学で、臨床応用を目指した先端研究に従事している。Peer-reviewed英文原著論文は320編以上(総計impact factor=2,011:2022年9月現在)。2009年、米国整形外科学会(AAOS)の最高賞Kappa Delta Awardをアジアで初めて受賞。2011年、米国骨代謝学会(ASBMR)のトランスレーショナルリサーチ最高賞Lawrence G. Raisz Award受賞。座右の銘は「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」。したがって、日本の整形外科の「大樹」も「長いもの」も、公正で厳然としたものであることを願っている。
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