社会に二重悪の「運動器リハ通院」にメスを 国民医療費の浪費+労働力不足の元凶 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 私は今まで、医療が国民の健康に寄与できたか否かを論点として議論してきた。すなわち、社会にとってプラスかゼロかの議論である。ところが、ゼロどころか社会にマイナスになっている医療が存在する。医学的裏付けがないままに、患者の訴え続ける自覚症状のみに基づいて漫然と続けられている運動器リハビリテーション通院である。 働けるのに働かない日本人がいる 政府の有識者会議は今年(2023年)4月10日、外国人労働者の受け入れ策である「技能実習制度」の廃止を求める提言をまとめた。この制度は1993年に、「日本の技術を外国人に継承して発展途上国の人材を育成する」という国際貢献を建前としてスタートした。しかしながら、実態は目的とは大きく乖離しており、30年間にわたって労働力不足の安易な解決策として利用されてきた。 トラブルが相次ぎ、諸外国から非人道的と批判され、日本の低賃金の温床にもなったこの制度の廃止に向けて、行政がようやく動き出したことは歓迎すべきである。しかしながら、廃止後にそれを補う労働力をどのように確保するかという問題は残されたままである。4月24日に政府は、「特定技能制度」の改正によって外国人の長期就労を可能とし永住者を増やす提案を出したが、これに対し「事実上の移民受け入れになりかねない」と脳天気に反対している自民党保守層がいる。彼らは、グローバル経済力の衰退によって平均賃金の低迷に加え円安が続く日本が、いつまでも外国人に選ばれる国でいられると思っているのだろうか。 言うまでもなく、日本の労働力不足の主因は労働力人口の減少である。しかしその背後には、「働けるのに働かない日本人がいる」という根深い問題が潜在している。そして、それを正当化する理由として医療が利用されている、という不都合な真実がある。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×