暴走する「膝OA自由診療」にお手上げ
アカデミア発の学術情報が社会に届かない
研究の背景:美容整形を凌ぐ勢いの「膝OA再生医療」
民間医療レベルの自由診療が世間に蔓延している。柔道整復師(柔整)などの医療類似機関のみならず、医師免許を持っている医療者による自由診療クリニックが市中に林立している。特に最近は、「変形性膝関節症(膝OA)の再生医療」を謳った自由診療クリニックが、元総理大臣の息子、元力士、歌舞伎俳優などを使った派手なテレビCMを展開し、美容整形を凌ぐ勢いである。今年(2023年)の第96回日本整形外科学会のスポンサードセミナーにおいても、OAに関する講演のほとんどは、多血小板血漿(platelet-rich plasma;PRP)や幹細胞の再生医療企業の共催であった。
今回紹介するのは、OAのトップジャーナルであるOsteoarthritis CartilageのチーフエディターであるDavid J. Hunter氏らがNature Reviews Rheumatologyに投稿した論説(Nat Rev Rheumatol 2023; 19: 464-465)で、「膝OAに関するアカデミアの研究成果が患者や社会に届いていない」という嘆き節である。
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川口 浩(かわぐち ひろし)
1985年、東京大学医学部医学科卒業。同大学整形外科助手、講師を経て2004年に助教授(2007年から准教授)。2013年、JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター・センター長。2019年、東京脳神経センター・整形外科脊椎外科部長。2023年、社会医療法人社団蛍水会 名戸ヶ谷病院・整形外科顧問。臨床の専門は脊椎外科、基礎研究の専門は骨・軟骨の分子生物学で、臨床応用を目指した先端研究に従事している。Peer-reviewed英文原著論文は340編以上(総計impact factor=2,032:2023年7月現在)。2009年、米国整形外科学会(AAOS)の最高賞Kappa Delta Awardをアジアで初めて受賞。2011年、米国骨代謝学会(ASBMR)のトランスレーショナルリサーチ最高賞Lawrence G. Raisz Award受賞。座右の銘は「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」。したがって、日本の整形外科の「大樹」も「長いもの」も、公正で厳然としたものであることを願っている。
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