ブレクスピプラゾールの立ち位置が明確に

神経変性疾患における神経精神症候群の薬理学的管理の進歩

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レビューの背景:NPSはNDDで一般的

 神経変性疾患(neurodegenerative disorder:NDD)には、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核症候群(CBS)、多系統萎縮症(MSA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、慢性外傷性脳症と外傷性脳症症候群(TES)およびハンチントン病(HD)などがある。これらの疾患の大半は加齢に関連しており、中年~晩年に症候性となる。世界の高齢化に伴い発症頻度が高まり、米国および世界におけるNDDの総負担および予測される世界的な疾病負担は莫大である。

 神経精神症候群(neuropsychiatric syndrome:NPS)はNDDで一般的であり、患者および介護者のQOLを低下させる。そして、より急速な病気の進行、高齢者ケア施設の必要性、QOL低下と関連する。

 ここでは、JAMA Neurologyに掲載されたNDDにおけるNPSの薬理学的管理の進歩に関するレビューを紹介する(JAMA Neurol 2024; 81: 645-653)。ブレクスピプラゾール(レキサルティ)の立ち位置が明確になっている。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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