ドクターズアイ 橋本洋一郎(脳卒中)

血栓除去術前の最適な頭位角度は?

大血管閉塞性脳卒中が対象のZODIAC試験

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研究の背景:頭位0° vs. 30°を検討

 脳卒中発症直後の超急性期患者の頭位に関して、頭蓋内圧亢進例では30°程度の頭部挙上が良いが、脳梗塞例では0°が良いと言われてきた。一方、ガイドラインでは、脳梗塞入院後早期における頭位平坦化の有益性は不明であるという。

 小規模研究において、大血管閉塞(LVO)性脳卒中患者に対する頭位0°は、周辺血流と臨床的安定性を改善することが示されている。血栓除去術前のLVO患者における臨床的安定性の維持において頭位0°と頭位30°のどちらが優れているかを検討するため、試験登録およびエンドポイントを盲検化した前向きランダム化比較試験(RCT)ZODIACが2018年5月〜23年11月に行われた(JAMA Neurol 2025; 82: 905-914)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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