研究の背景:ほとんど介入できていない問題 日常診療において、私たちは努力性肺活量などの生理学的指標や、呼吸困難・咳嗽といった身体症状の評価には注力しているが、QOLの重要な要素である性活動・性機能については、ほとんど介入できていないのが現状である。これは患者のプライベート的な側面が大きく、医療が踏み込みにくい領域でもあるためだ。私も、性活動・性機能について把握できている患者はほぼいない。 世界保健機関(WHO)は性機能障害を健康問題と定義しているが、肺線維症におけるエビデンスは、男性の勃起障害(ED)などごく一部の小規模な報告に限られていた。今回紹介する研究(Eur Respir J 2026; 67: 2501039)は、この未解明な実態を明らかにするために行われた、大規模かつ多角的な国際研究である。