揺らぐβ遮断薬の常識、安全性の懸念まで...
「LVEF保持」心筋梗塞例への投与をめぐり
否定されたLVEF保持例へのβ遮断薬追加の有効性
「心筋梗塞(MI)後にはβ遮断薬」。
長らく信じられてきたこの「常識」が、近年、エビデンスという荒波の中で大きく揺らいでいる。
そもそもは、再灌流療法が一般的になる以前のランダム化比較試験(RCT)に基づいた「常識」である(JAMA 1982; 247: 1707-1714)。
それもあり、早期再灌流療法の普及に伴い増えてきた、左室駆出率(LVEF)が保持されたMI生存例での有効性が疑問視されるようになった。2010年以降4つのRCTが実施され(後出)、3報が有効性を認めなかった。
そこで、これら4試験のメタ解析が実施され、その結果、MI後LVEF維持例へのβ遮断薬追加は、その有効性が否定された(Cardiovasc Drugs Ther 2025年12月13日オンライン版)。
加えて今回、「有効性の否定」にとどまらず「安全性に対する懸念」まで示唆される新たなメタ解析が報告された。
著者は、在沖縄米国海軍病院の比留間百合子氏ら。2月3日、J Cardiolにレターの形で掲載された。
およそ半数を占めた、「高血圧合併」例での結果も議論を呼びそうだ。
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