週刊論文ウォッチ

ST非上昇心筋梗塞への侵襲的介入、この集団にはNG!

冠動脈造影も…問われる高齢患者への治療

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は4月20~26日に公開された論文からフォーカスしたのは「ST上昇心筋梗塞」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

RCTで否定されたNSTEMI例に対する侵襲的介入の有用性

 急性冠症候群(ACS)に占める「ST非上昇心筋梗塞」(NSTEMI)の割合は、加齢に従い増加する(Cardiol Rev 2015; 23: 26-32)。では高齢NSTEMI例に対して、冠動脈造影、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、冠動脈バイパス術(CABG)などの侵襲的介入は有用だろうか。

 否定的な答えを出したのが、2024年に報告されたランダム化比較試験(RCT)SENIOR-RITAである。

 同試験において75歳以上のNSTEMI例に対する侵襲的介入は、非侵襲的な至適薬剤治療に比べ、「心血管(CV)死亡・心筋梗塞(MI)」を減少させなかった(N Engl J Med 2024; 391: 1673-1684)。一方、有害事象は有意ではないものの多発していた(後述)。

 そして今回さらに解析を進めると、侵襲的介入により至適薬剤治療に比べ、CV転帰が増悪する可能性のある患者群の存在も明らかになった。SENIOR-RITA試験の事前設定追加解析の結果として4月21日、英・Newcastle UniversityのFrancesca Rubino氏らがJAMA Netw Openで報告した。

 近時報告された、わが国からの高齢者に対する経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)の長期観察データも合わせて紹介したい。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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