週刊論文ウォッチ

意外な血糖降下薬にCVD「初発」予防効果

期待の2薬剤ではなく…

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は5月18~24日に公開された論文からフォーカスしたのは「血糖降下薬による心血管疾患初発予防効果」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

これまでCVD初発予防効果を示したのはメトホルミンのみ

 SGLT2阻害薬の登場以来、血糖降下薬による心血管(CV)イベント抑制作用に注目が集まるようになった。

 しかし「エビデンス」とされるランダム化比較試験(RCT)の多くは、対象が「心血管疾患(CVD)既往例」である。ほぼ全例がCVDを有さなかったRCTはUKPDS試験くらいだろうか(メトホルミンによるCVイベント抑制を証明)。

 そのため、メトホルミン以外の血糖降下薬では、CVD未発症〔CV初発(一次)予防〕の2型糖尿病例に対するCVイベント抑制作用はよく分かっていない。

 そのような観点から興味深い報告が5月20日、お隣の韓国から報告された。少し意外な血糖降下薬に、CVD初発予防2型糖尿病例のCV転帰改善が期待できるかもしれない。

 掲載されたのはJ Diabetes Investig。著者は延世大学校のYun Young Choi氏らである。

 加えてSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)についても、エビデンスを簡単に整理してみたい。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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