週刊論文ウォッチ

心不全へのMRAの有効性を層別する「不思議な現象」

開始前アルドステロン濃度の高低で検討すると…

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は6月15~21日に公開された論文からフォーカスしたのは「アルドステロン濃度とミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の有効性」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

Fantastic 4の一角

 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は今や、心不全(HF)の標準治療の一角を占めるに至った。β遮断薬、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNi)、SGLT2阻害薬とともに「Fantastic 4」の呼称も定着した。

 しかし今回、MRA服用開始前の血漿アルドステロン(ALD)濃度の高低によっては、MRAに心血管(CV)保護作用を期待できない可能性が明らかになった。6月16日、米・Yale UniversityのVeena S.Rao氏らがEur Heart Jで報告した。

 理論的には、MRA開始前ALD濃度高値であればミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗作用が減弱すると考えられるため、そのような例でCV保護作用も弱まるように思われる。しかし、結果は意外なものだった。 

 HF例へのMRA適応を考えるに当たり、興味深いデータかと思われる。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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