ドクターズアイ 小林拓(消化器)

国際指針から10年、IBDサーベイランスの標準は変わる?

LCIとDCEの前向きランダム化比較試験

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研究の背景:相次ぐDCEの位置付けに関する再検証研究

 炎症性腸疾患(IBD)患者では、長期罹患に伴い大腸がんリスクが上昇することが知られており、定期的なサーベイランス内視鏡が推奨されている。

 2015年に発表されたSCENIC international consensus statement(Gastroenterology 2015; 148: 639-651は、IBD関連腫瘍サーベイランスの標準的観察法として色素散布内視鏡(dye chromoendoscopy;DCE)を推奨した。DCEはスプレーカテーテルを用いてインジゴカルミンなどの色素を全大腸に散布しながら観察する方法であり、病変の視認性向上による腫瘍検出率の改善が期待される。

 SCENIC以降、欧米ではDCEが広く普及し、長らくゴールドスタンダードとして位置付けられてきた。一方、この10年間で内視鏡診断技術は大きく進歩した。高精細白色光観察(HD-WLE)に加え、Linked Color Imaging(LCI)や狭帯域光観察(NBI)などの画像強調観察技術が日常診療に普及し、DCEの位置付けを再検証する研究が相次いでいる。

 今回紹介する研究は、IBD関連腫瘍サーベイランスにおいてLCIとDCEを直接比較した前向きランダム化比較試験である(J Crohns Colitis 2026; 20: jjag085)。

小林 拓(こばやし たく)

北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター センター長、病院長補佐、消化器内科部長、北里大学医学部消化器内科学 准教授

1998年、名古屋大学医学部卒業。関連病院で研修の後、2004年より慶應義塾大学消化器内科特別研究員として炎症性腸疾患の研究に従事、2008年医学博士。2009年、米・ノースカロライナ大学博士研究員、2012年北里研究所病院消化器内科医長を経て炎症性腸疾患先進治療センター副センター長、2022年より現職。 日本消化器病学会(専門医・指導医・学会評議員・ガイドライン委員)、日本消化器内視鏡学会(専門医・指導医・学術評議員)などに所属。日本炎症性腸疾患学会では国際交流委員会、機関誌編集委員会委員長、European Crohn's and Colitis Organisationのクローン病ガイドライン委員を歴任。

小林 拓
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