週刊論文ウォッチ

「血圧変動」「夜間血圧」はただのマーカー?

介入しても臨床転帰は改善せず―問われる「代替評価項目」の意義

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は6月22~28日に公開された論文からフォーカスしたのは「降圧治療における血圧変動の意義」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

「第一選択薬」3剤をどう使い分けるか

 現在、世界の高血圧ガイドラインが一貫して「第一選択薬」(治療開始薬)として推奨している降圧薬は、カルシウム拮抗薬(CCB)、レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RAS-i)、利尿薬である。ではこれら3剤の使い分けはどうするのか。

 「血圧変動(BPV)への影響の差」で差別化ができないか、そのような発想から始まった研究が6月25日、Hypertensionに掲載された。著者は中国・首都医科大学のYue Qiao氏ら。米国で実施された大規模降圧ランダム化比較試験(RCT)データを患者レベルで再解析したものだ。

 結果を見ると、3剤間にはBPV抑制作用に差がある可能性が示された。しかし、その「差」に臨床的な意義がどれほどあるのか。この点には疑問符が付いた。

 降圧治療における「代替評価項目」の意義を再考する上でも、興味深いデータである。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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