HPVワクチンは1回接種でも有効?
日本の接種率向上へのパラダイムシフト
研究の背景:日本のHPVワクチン接種の「機会損失」をどう打破するか
わが国におけるHPVワクチンの積極的勧奨が再開されて久しいが、定期接種世代の接種率はいまだ約50%前後の低空飛行を続けている。9価ワクチン(シルガード9)という極めて強力な武器を手にしながら、社会全体で見れば「宝の持ち腐れ」と言わざるを得ない機会損失が続いている。医療者が「複数回の確実な接種」という個別の完璧さを求めるあまり、社会全体の罹患率を低下させるという公衆衛生の最大目標が停滞している現状に、われわれは今一度、ブレークスルーを模索すべきではないだろうか。
こうした中、2025年12月のThe New England Journal of Medicineに掲載されたESCUDDO試験(N Engl J Med 2025; 393: 2421–2433)は、世界のみならず、今後の日本の接種戦略における情報提供の在り方に極めて重要な一石を投じるものとなった。
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