週刊論文ウォッチ

本末転倒なり、ダイエット食品が高血圧を招く?

英国住民10万人超研究から

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は8月3~9日に公開された論文からフォーカスしたのは「加工食品の高血圧リスク」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

「食品添加物摂取量」と「高血圧発症」との関連を検討

 血圧を下げるための食事といえば「減塩」が代表格である。しかし塩に加え、「ダイエット食品/飲料」も高血圧リスクを高めているかもしれない。

 ドイツ・Justus-Liebig University of GiessenのKathrin Marie Krost氏らが10万人以上を対象に検討した結果として8月3日、Eur Heart Jで報告した。

 「肥満」を防ぐための食生活が高血圧発症を助長しているとの結果で、これでは本末転倒である。

 加えて「歯に良いガム」にも、高血圧リスク上昇の恐れが示唆された。

 今回解析対象となったのは、降圧薬を服用せず、かつ血圧「140/90mmHg未満」だった、英国在住の10万1,560人である(糖尿病診断歴がある例は除外)。自主参加型コホートであるUK Biobankから抽出した。

 年齢中央値は56歳。血圧平均値はおよそ「125/77mmHg」だった。人種としては白人が96%を占めていた。これらを対象に、食品添加物の摂取量とその後の高血圧発症リスクとの関連が調べられた。

 食品添加物の摂取量は、個々人の摂食実態を基に統一された数式を用いて推算された。食事内容把握に用いられたのは、Web上の調査票(Oxford WebQ)である。これにより、調査前日の食品206品目と飲料32品目の摂取実態の把握が可能となった(調査回数は最大5回まで)。

 「高血圧発症」は、その後の「高血圧性疾患」(ICD10コード110~113;高血圧に関連する心疾患、腎疾患を含む)診断の有無で確認した。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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