週刊論文ウォッチ

スタチンは中止できる―75歳以上・初発予防例なら

「安全な減薬」のエビデンスを考える

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は8月10~16日に公開された論文からフォーカスしたのは「スタチン中止」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

相当数の高齢者が75歳以上でもスタチン継続か

 高齢者のポリファーマシーが問題となっている。「多剤併用に起因する害が生じた状態」であるため、中止可能な薬剤の特定と休薬が必要だ。

 そのような観点から興味深い研究が、8月11日、Lancet Healthy Longevに掲載された。

 動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)既往がなければ、75歳以上ではスタチンを中止しても問題はないとするランダム化比較試験(RCT)SITE/SAGAである。フランス、Université de BordeauxのFabrice Bonnet氏らが報告した。

 わが国では、1年間におよそ16万人以上の55〜74歳ASCVD初発(一次)予防例が、スタチンを開始していると推算される(Biol Pharm Bull 2023;46: 1548-1557)。75歳以上まで継続している例は相当数に上るはずだ。

 その意味で臨床に大きなインパクトを持つ論文と思われる。と同時に、「観察研究」の結論で示されてきた「高齢者でもスタチン中止で転帰増悪」という知見を覆したという意味においても(後述)興味深い。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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