肝脂肪改善へ、鍵は「体重」と「超加工食品」
MASLD患者対象の3群RCT
研究の背景:食事療法における「最適」とは?
代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)は、世界で最も頻度の高い慢性肝疾患であり、肥満、2型糖尿病、メタボリックシンドロームと密接に関連している。また、心血管疾患や肝関連イベント、死亡リスクの上昇につながることが知られている。
近年では、GLP-1受容体作動薬をはじめとする新たな薬物療法が臨床で利用可能となり、MASLD治療は大きく進歩している。しかし、治療の基本はライフスタイルの改善であり、中でも食事療法と減量は重要な位置を占めている。
臨床現場では「どのような食事が最も効果的なのか」という疑問が常に存在する。国際的なガイドラインでは、抗酸化・抗炎症作用などが期待される地中海食が推奨される一方、インスリン感受性の改善が期待される低炭水化物食の有効性も報告されている。ただし、特定の食事パターンが減量と独立して肝脂肪を改善するかについては、これまで一貫した結論が得られていなかった。
また、食品の栄養素だけでなく「加工度」にも注目が集まっている。糖類や精製炭水化物、食品添加物などを多く含む超加工食品(ultra-processed foods;UPF)の摂取は、肝脂肪蓄積や代謝異常を促進する可能性が指摘されているものの、介入試験によるエビデンスはまだ十分でない。
こうした中、イタリア・University of TurinのS.Bo氏らが報告したランダム化比較試験(RCT)は、「特定の食事法」「減量」「食事の質」のうち、何が肝脂肪の改善を最も強く規定するのかを検討した、非常に示唆に富む研究である(JHEP Rep 2026; 8: 101929)。
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