週刊論文ウォッチ

GLP-1RAのがん発生抑制作用に大きな疑問符

糖尿病例では案に相違した結果に

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は8月17~23日に公開された論文からフォーカスしたのは「GLP-1RAのがん発生抑制作用」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

ASCOで注目されるGLP-1RAによるがん発生抑制

 今年(2026年)5月末から米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)学術集会では、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)による、過体重・肥満例におけるがん初発抑制作用を示唆する観察研究が報告された。今年に限らず同学会では、GLP-1RAによるがん発生抑制への期待が高まっているようだ。

 一方、肥満を必ずしも伴わない2型糖尿病例では、GLP-1RAの「がん抑制」作用には大きな疑問符が付いた。

 症例数35万を超えるランダム化比較試験(RCT)模倣比較の結果として8月17日、米国University of MarylandのStacey M. Sklepinski氏らが、Diabetes Res Clin Practで報告した。

 「肥満例と糖尿病例ではがんに対する作用が逆」。同じ薬剤でそのようなことが起こりうるのだろうか。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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