週刊論文ウォッチ

心房細動スクリーニングは心不全予防の入り口

ESCガイドライン改訂で脚光?

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〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は8月31日~9月6日に公開された論文からフォーカスしたのは「心不全リスクとしての心房細動」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

「心房細動=心不全リスク」と明記

 8月28日、欧州心臓病学会(ESC)の心不全ガイドラインが改訂された(Eur Heart J 2026年8月28日オンライン版)。改訂点は多岐にわたるが、注目に値するのは「心房細動」(AF)が「心不全発症リスク」として明記された点である(2021年版では言及なし)。

 AFに伴う心不全発症リスク上昇は古くから報告されてきたが(BMJ 2016: 354: i4482)、やっとガイドラインで言及されるに至った。これをきっかけに、「AFへの介入による心不全予防」の研究も進むだろうか。

 さらに、心不全リスクとなるAFは必ずしも「症候性」に限らないようだ。改訂ガイドライン発表の9日後の9月6日、スウェーデン・Karolinska UniversityのGina Sado氏らがEuropaceで明らかにした。

 非侵襲的な「AFスクリーニング」は「脳卒中抑制」には有用性が証明されていない(Ann Med 2025; 57: 2457522)。しかし「心不全予防」であれば、一定の役割を果たしうるかもしれない。

 「AF」は近年、「脳梗塞」リスクという側面に話題が集中していた感がある。今回のESCガイドライン改訂をきっかけに、「心臓病」としても再び注目されるだろうか。関連研究も整理しながら紹介したい。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

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