高齢者への初発予防スタチン、どう判断すべきか
「中止してよい」「開始すると有用」の狭間で
相反する2つのエビデンスを実臨床にどう反映させるか
心血管疾患(CVD)既往のない高齢者へのスタチンは「是」か「非」か―。この問いが近時話題になっているようだ。きっかけは2つのランダム化比較試験(RCT)である。
1つは8月21日の本欄(関連記事「スタチンは中止できる―75歳以上・初発予防例なら」でも紹介したSITE/SAGA試験(Lancet Healthy Longev 2026; 7: 100884)、もう1つは今年の欧州糖尿病学会(EASD 2026)で報告されたSTAREE試験(N Engl J Med 2026 ; 395: 1259-1272)である。
前者からの知見は「75歳以上でもCVD既往がなければスタチンは安全に中止できる」だったのに対し、後者は「70歳以上のCVD一次(初発)予防例でも、スタチンは心血管イベントを抑制しうる」というものだった。
「中止してよい」と「開始すると有用」というエビデンスが、ほぼ同時に公開された形だ。
これらの結果をどのように実臨床に反映させるべきか。興味深い論説が9月30日、Eur Heart J Cardiovasc Pharmacotherに掲載された。著者はスウェーデン・Uppsala大学のJessica Schubert氏とSkåne 大学のMargret Leosdottir氏。両試験とも注意深く読み解くと、幾つかの留意点が見えてくるようだ。
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