福島の甲状腺がん過剰診断に見る日本の宿痾
りんくう総合医療センター甲状腺センター長 髙野 徹
小児甲状腺がんは100万人に数人という極めてまれながんである。しかし、現在福島県では400人もの子供や若者が甲状腺がんと診断され、その大半が既に手術を受けていることはほとんど話題に上らない。原発事故の被曝の影響を想像する方もいらっしゃるであろうが、福島の現状について、国連の専門委員会は、被曝の影響を完全に否定する一方で「過剰診断」への警鐘を鳴らしている。福島では小児甲状腺がんの過剰診断による健康被害が発生している。これが国際的なコンセンサスである。
過剰診断とは、一生患者に害を与えないがんを診断してしまうことである。診断をされなければ問題がなかったはずのがんを見つけられてしまった子供の多くは、無駄な手術を受けた上で「がん患者」のレッテルを貼られ、その影響を一生引きずることになる。彼らは決して「がんが早く見つかって幸せだった患者」ではない。では、どうして福島で過剰診断が発生したのか、そしてなぜそのことを大多数の日本の医療者たちは知らないのか。そこには日本の医療界に潜む宿痾がある。
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