糖尿病における高血糖は終末糖化産物(AGEs)の蓄積、酸化ストレスを介して血管内皮障害や炎症性サイトカインの分泌を促し、動脈硬化の進展に関与する。他方、クッシング症候群では糖質コルチコイドの過剰分泌により凝固亢進および線溶抑制状態が生じ、血栓症リスクが高まるとされる。獨協医科大学内分泌代謝内科の神賀雄介氏は第40回日本糖尿病合併症学会(11月14~15日)で、糖尿病を機にクッシング症候群と診断した後、急性下肢動脈閉塞症を発症した70歳代女性の症例を紹介した。(関連記事「管理不良糖尿病の一因に高コルチゾル血症」「軽度の高コルチゾル血症は新たな高血糖要因」)