【2026年医学はこうなる】小島 淳
桜十字八代リハビリテーション病院副院長、熊本大学客員教授
【私が選んだ医学2025年の3大ニュース】
1.「人の暮らしを診る」医療への転換
2025年は、従来の臓器別診療の限界が明確となり、内科疾患を全身の異常が相互に関与するネットワーク病として捉える考え方が、臨床・研究の両面で広がった1年であった。
臨床の現場では、循環器医が代謝、炎症、社会因子を同時に評価する必要性が明確となり、内科医の役割も「臓器の専門家」から「病態全体を調整する存在」へと広がった。心不全は肥満症、慢性腎臓病、糖尿病と切り離せない疾患として理解され、体重管理や栄養調整が循環器治療の一部として定着し始めた。また、脂肪肝は肝臓の病気にとどまらず、心血管疾患の重要な危険因子として扱われるようになり、疾患理解は臓器の枠を越えて共有されるようになった。
さらに政策面でも、地域包括ケアや在宅医療の重要性が増し、患者の生活背景や支援体制が診療に直結する要素として意識されるようになった。社会的孤立や心理的問題が心不全の再入院を増やし、生活習慣病の治療を難しくすることが広く認識され、医療は病気そのものだけでなく、患者1人1人の生活状況を含めて考える方向へと変化した。
2025年は、医療が「病気を診る」だけでなく、「人の暮らしを診る」医療へと転換した節目の年といえる。
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