HPVワクチンは1回接種でも有効?

日本の接種率向上へのパラダイムシフト

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研究の背景:日本のHPVワクチン接種の「機会損失」をどう打破するか

 わが国におけるHPVワクチンの積極的勧奨が再開されて久しいが、定期接種世代の接種率はいまだ約50%前後の低空飛行を続けている。9価ワクチン(シルガード9)という極めて強力な武器を手にしながら、社会全体で見れば「宝の持ち腐れ」と言わざるを得ない機会損失が続いている。医療者が「複数回の確実な接種」という個別の完璧さを求めるあまり、社会全体の罹患率を低下させるという公衆衛生の最大目標が停滞している現状に、われわれは今一度、ブレークスルーを模索すべきではないだろうか。

 こうした中、2025年12月のThe New England Journal of Medicineに掲載されたESCUDDO試験(N Engl J Med 2025; 393: 2421–2433)は、世界のみならず、今後の日本の接種戦略における情報提供の在り方に極めて重要な一石を投じるものとなった。

今野 良(こんの りょう)

自治医科大学名誉教授、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科、メディカルコンサルH&B代表、特定非営利法人子宮頸がんを考える市民の会理事長

日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本旅行医学会など。
ASCO(米国臨床腫瘍学会、子宮頸がんガイドライン作成委員・外部評価委員)、AOGIN(アジアオセアニア生殖器感染症および腫瘍に関する学会、日本代表理事、2017年TOKYO meeting会長)、Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容医療・アンチエイジング医学会)、World Endometriosis Society(世界内膜症学会)など。

今野 良
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