週刊論文ウォッチ

関節リウマチの心血管リスク、抗リウマチ薬で低減できるか

bDMARD、tsDMARD別に検討した韓国研究から

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする

〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は7月6~12日に公開された論文からフォーカスしたのは「関節リウマチの心血管リスク」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。

RAで上昇する心血管リスクに炎症の関与が示唆

 関節リウマチ(RA)が心血管(CV)リスクであるのはよく知られている。例えば、日本におけるRA 8,658例を変形性関節症3万2,202例と比較すると、「虚血性心疾患」発生率比は2.16の有意高値だった(Springerplus 2016; 5: 1111)。

 RA例におけるCVリスク上昇には、RAを惹起する炎症の関与が示唆されている。では抗炎症作用が期待される「疾患修飾性抗リウマチ薬」(DMARD)は、RA例における虚血性心疾患、中でも心筋梗塞(MI)のリスクを減らせるのか。

 この点を東アジア人で、生物学的製剤(bDMARD)と分子標的型合成抗リウマチ薬(tsDMARD)に分けて検討した成績が、7月10日、Eur J Prev Cardiolに掲載された。著者は韓国・成均館大学校のIn Young Cho氏ら。

 RA例で上昇しているCVリスクを抗リウマチ薬で低下させるというアプローチに、再考の余地はないだろうか。

宇津 貴史(うつ たかし)

医学系編集会社、広告代理店(編集職)とメディカルトリビューン(記者)を経て、2001年からフリーランス。新聞系メディアなどに記名、匿名で執筆を続ける。平日は原則として毎朝、最新論文をチェック(https://x.com/Office_j)。特定非営利活動法人・臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)会員。会員向けニュースレター記事執筆、セミナーにおける発表などを担当。日本医学ジャーナリスト協会会員。共著に『あなたの知らない研究グレーの世界』(中外医学社)。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする