“医師・ジャーナリスト”が読み解く医療問題

「香害」とHPVワクチン副反応被害との共通点

「香害」を考える➀

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〔編集部から〕「香害」という用語を耳にしたことがある医師もいるのではないだろうか。香りの感じ方には個人差があるが、柔軟剤などの日用品に含まれる合成香料への曝露で症状が誘発される公害ならぬ香害として、一般メディアが取り上げるようになった。そのような中、医師でジャーナリストの村中璃子氏から、「『香害』はヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン副反応をめぐる問題と構図が似ている」ことを聞いた。同氏に、香害について解説してもらった。

 柔軟剤のせいで健康も仕事も失った――。「香害」の典型的な訴えである。ここでいう香害とは、たばこが臭いとか、飲食店で強い香水の人が居て、食べ物の味がしないといった話ではない。柔軟剤や洗剤、消臭剤などの合成香料に含まれる化学物質に繰り返し暴露することで、少量の化学物質にも脳や神経が反応するようになり、頭痛やめまい、呼吸困難などを発症する「化学物質過敏症(Multiple Chemical Sensitivity;MCS)」である。

 ところが、関係者によれば健康被害としての香害のクレームが上がっているのは日本だけであり、香害は「日本の特殊案件」として扱われているという。

村中 璃子(むらなか りこ)

医師・ジャーナリスト

医師免許取得後、世界保健機関(WHO)でパンデミック対策に従事。京都大学大学院医学研究科、独ベルンハルト・ノホト熱帯学研究所を経て、現在、千葉大学大学院医学研究院非常勤講師。2017年、科学誌「Nature」等の主催するジョン・マドックス賞受賞。著書に『10万個の子宮 あの痙攣は子宮頸がんワクチンの副反応なのか』(平凡社、2018年)、『パンデミックを終わりにするための 新しい自由論』(文藝春秋社、2023年)他。

村中 璃子
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