MI後急性期のPCSK9阻害薬、「多面的作用」は見えず?
AMUNDSEN試験が投げかけた問い|ESC 2026
LDL-C低下と早期からのCVイベント抑制、その「謎」を検証
8月28日からドイツ・ミュンヘンで開催された欧州心臓病学会(ESC 2026)では、報告と同時に論文公開となった研究が180件以上あった。
ここではその中から、PCSK9阻害薬による「多面的作用」を検討したランダム化比較試験(RCT)"AMUNDSEN"を取り上げたい。論文と報告間でかなり印象の差を感じたためである(JAMA 2026年8月29日オンライン版、関連記事「PCI前後のエボロクマブ、心筋梗塞の転帰改善せず」)。
報告者はフランス・Hôpital Pitié-SalpêtrièreのGilles Montalescot氏。同氏のコメントを中心に紹介する。
同氏がAMUNDSEN試験を着想した背景には、2001年に報告されたMIRACL試験があった。急性冠症候群(ACS)発症から96時間以内の3,086例が高用量アトルバスタチン群とプラセボ群に割り付けられたRCTである(JAMA 2001; 285: 1711-1718)。
その結果、試験開始4週後という早期から、アトルバスタチン群では主要評価項目の「死亡・急性心筋梗塞(MI)・要入院心筋虚血または蘇生可能心停止」が減少を始め、16週後には絶対リスクで2.6%の有意低値となった。
「LDLコレステロール(LDL-C)低下による虚血性心血管(CV)イベント抑制にはもっと時間がかかるはず。従って、早期にイベントを減少させたのは『スタチンによる多面的作用』に違いない」。これが同氏の見立てだった。
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