SGLT2阻害薬の「一過性eGFR低下」は本当に青信号?
「死亡リスク」を考慮すると…
「腎転帰」の観点なら「30%未満」は許容範囲
慢性腎臓病(CKD)例でSGLT2阻害薬を開始すると、少なからぬ患者で直後に推算糸球体濾過量(eGFR)が低下する。この現象(initial dip)は多くの場合一過性とされ、糸球体高血圧是正という腎保護作用の反映と考えられている。
ではこのSGLT2阻害薬開始後の早期eGFR低下は、どれほどまでが許容範囲だろう。
日本腎臓学会による『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』では、「30%未満」のようだ(「3 カ月以内に30%以上の低下を認める場合は腎臓専門医に紹介する」)。またKidney Disease: Improving Global Outcomes(KDIGO)2024年版ガイドラインも同様に、30%未満の低下は原則として問題視していない(Kidney Int 2022; 102: S1-S127)。
SGLT2阻害薬開始直後の「eGFR軽度低下」は「青信号」扱いだ。
ただし、これらの推奨はいずれも「腎転帰」に注目したものである。
では、「腎転帰」ではなく「死亡」リスクを考慮したらどうなるか。許容できるeGFR低下幅はもっと小さくなる可能性が明らかになった。
加えてeGFR低下を「一過性」と考え、安易に観察していると、取り返しのつかない事態になる恐れも示唆された。
中国・武漢市第四病院のQi Gao氏らが10月29日、Clin Kidney Jで報告した。既報メタ解析との対比も含め、紹介したい。
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