点数は静注の4割、皮下注評価の妥当性を問う 2026年度診療報酬改定により、外来腫瘍化学療法診療料の算定対象に皮下注射が追加された。しかし、その点数は静脈注射の約4割にとどまる。国立がん研究センター中央病院腫瘍内科医長の下井辰徳氏は、外来腫瘍化学療法の普及を阻む診療報酬上の課題や算定対象に追加されるまでのプロセスについて、第23回日本臨床腫瘍学会(3月26〜28日)で詳述。「今回の改定で評価の土台ができたのは大きな前進だが、点数の妥当性については引き続き検証が必要だ」と指摘した。。・・・ NSCLCへのオシメ+ケモ、日本人OSは48カ月超 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療では、第三世代EGFR阻害薬オシメルチニブが標準治療となっている。第Ⅲ相試験FLAURA2では、同薬にプラチナ製剤およびペメトレキセドを上乗せする併用療法の有効性と安全性を検証。がん研究会有明病院(東京都)呼吸器内科副部長の栁谷典子氏は、同試験の日本人集団における全生存(OS)中央値は単剤群の34.3カ月に対し、併用群では48.3カ月と臨床的に意味のある改善傾向が示されたとする解析結果を第23回日本臨床腫瘍学会(3月26~28日)で報告した。・・・ 変異検出後のcamizestrant早期切り替えでPFS倍増 エストロゲン受容体(ER)陽性・HER2陰性(ER+HER2-)の進行・再発乳がん(ABC)。一次治療であるアロマターゼ阻害薬(AI)とCDK4/6阻害薬の併用療法下におけるESR1変異(m)の出現は、内分泌療法に対する獲得耐性の主要な機序として知られる。名古屋市立大学大学院臨床研究戦略部特任教授の岩田広治氏は、AI+CDK4/6阻害薬治療中に次世代経口選択的ER分解薬(SERD)camizestrantへ早期に切り替える戦略の有用性を検証したSERENA-6試験の日本人サブグループ解析を実施。AI継続群と比べ、camizestrant群では無増悪生存(PFS)が2倍に延長したとの結果を第23回日本臨床腫瘍学会(3月26~28日)で報告した。・・・ アミバンタマブ併用療法でOSが1年以上延長 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の切除不能な局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療において、第三世代EGFR-チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)オシメルチニブが標準治療とされてきた。しかし最近では、さらなる予後の改善を目指し上皮転換因子(MET)二重特異性抗体アミバンタマブ+EGFR-TKIラゼルチニブ併用療法の検証が進められている。近畿大学内科学腫瘍内科部門教授の林秀敏氏は、国際共同第Ⅲ相試験MARIPOSAのアジア人集団の解析結果を第23回日本臨床腫瘍学会(3月26~28日)で発表。「オシメルチニブ単剤療法と比べ、アミバンタマブ+ラゼルチニブ(Ami+Laz)併用療法は全生存(OS)において1年以上の延長が予測された」と報告した。・・・ 小細胞肺がんへのタルラタマブ、発熱パターンで奏効予測 小細胞肺がん(SCLC)は進行が速く、再発後の治療選択肢が限られている。そうした中、デルタ様リガンド(DLL)3を標的とする二重特異性T細胞誘導抗体タルラタマブが、がん化学療法後に増悪したSCLC治療薬として昨年(2025年)4月に発売された。同薬は高い効果が期待される一方、副作用のサイトカイン放出症候群(CRS)による発熱頻度が高いことから、臨床現場での適切な管理とCRSの予測マーカーの確立が急務となっている。埼玉医科大学国際医療センター呼吸器内科講師の山口央氏は、発熱パターンで同薬の奏功性を予測できることを第23回日本臨床腫瘍学会(3月26~28日)で報告した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る