代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)は、肝硬変や肝細胞癌といった肝関連イベントのみならず、心血管疾患などとも関連した全身の疾患として注目をされています。今回は、MASLDにおける心血管イベント・肝関連イベントリスクとそのリスク層別化に関する発表の他、肝硬変患者に潜む呼吸器合併症の実態などを取材。最新の知見をお届けします。 肝硬変患者こそワクチン接種を! 肝硬変では、門脈圧亢進や免疫機能異常を背景に多様な合併症を呈し、中でも肺炎などの感染症を含む呼吸器合併症は入院・死亡の原因となることが多い。他方、肝硬変は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化危険因子としても知られており、ウイルス性・細菌性を問わず呼吸器感染の悪化を招きやすい病態と考えられる。東京大学病因・病理学専攻感染制御学教授の堤武也氏は、肝硬変患者における呼吸器合併症の実態と予防戦略、ワクチン接種の有用性について第62回日本肝臓学会(6月18~19日)で報告した。・・・ MASLDのイベントリスク、肝 vs. 心血管 脂肪性肝疾患(SLD)の新疾患概念が提唱され、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)/代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)へと変更された。日本でも今年(2026年)4月、改訂に際して書名変更した『MASLD診療ガイドライン(GL)2026』が刊行。GLでは、飲酒量に基づく分類に、これまで病名のなかった中等量飲酒者が代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)として加えられた。武蔵野赤十字病院(東京都)消化器内科副部長の玉城信治氏は、飲酒量による3分類の臨床的意義および肝関連・心血管イベントリスクとの関連について検討。結果を第62回日本肝臓学会(6月18~19日)で報告した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る