睡眠薬適正使用ガイドラインの改訂作業進む 2014年に『睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン』が作成されて10年以上が経過した。この間、睡眠薬の多剤・長期処方を抑制する診療報酬改定、オレキシン受容体拮抗薬(DORA)の登場、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)の保険適用など、不眠症治療を取り巻く環境は大きく変化している。日本睡眠学会は関連学会と合同で同ガイドラインの改訂作業を進めており、第50回同学会(7月23~24日)で現時点での論点整理を行うシンポジウムを行った。当日の議論の概要を紹介する。不眠症の治療アルゴリズムの変更が大きな焦点になりそうだ。・・・ 増加の懸念?「悪夢障害」を知ろう 睡眠障害の中で、これまであまり注目されてこなかった悪夢障害。しかし、今後は無関心ではいられないかもしれない。不眠症治療薬の適正使用の観点から、処方数が拡大しつつあるオレキシン受容体拮抗薬(DORA)により悪夢が出現するケースが報告されており、増加の懸念もあるからだ。日本大学精神医学系准教授の金子宜之氏は、第50回日本睡眠学会(7月23~24日)で悪夢および悪夢障害について報告。発生メカニズムや治療法について解説した。・・・ 開業医が取り組むベンゾ減薬、「16週の壁」を超えよ 日本では長年、不眠症治療薬の主流はベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRA)であったが、長期服用に伴う副作用が問題視され、減薬・休薬の必要性が強調されている。しかし、患者の同意が得られないなどして、難航するケースが多いようだ。広田クリニック(福岡県久留米市)院長の広田進氏は、自院で実践しているBZRAをオレキシン受容体拮抗薬(DORA)に置換する取り組みを後ろ向きに検討。16週後の置換成功率は約50%だが、成功者の約80%は52週後もBZRAの減薬・休薬を維持できていたと第50回日本睡眠学会(7月23~24日)で発表した。「16週の壁」はあるものの、開業医においてもDORAへの置換は実践可能な選択肢であることが示唆されたという。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る