過活動膀胱や夜間頻尿といった下部尿路機能障害は、加齢に伴って有病率が上昇し、患者のQOLに大きな影響を及ぼす身近な疾患です。今回は、全国疫学調査JaCS 2023のデータを解析し夜間頻尿の関連因子を検討した演題の他、過活動膀胱治療薬ビベグロンの有効性の評価、夜間多尿を契機に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われCPAP療法導入に至った症例報告などを取材しました。 夜間頻尿の関連因子は男女で異なる 夜間頻尿は、下部尿路症状(LUTS)の中でも特にQOLの低下に直結する。加齢に伴い頻度が高まるため、超高齢社会を迎えた日本において実態把握は急務である。山梨大学泌尿器科学講座准教授/血液浄化療法部副部長の吉良聡氏は、日本排尿機能学会が主導したLUTSに関する全国疫学調査JaCS 2023(Int J Urol 2024; 31: 747-754)のデータを用い、夜間頻尿の有病率と関連因子を探索。その結果「男性は器官障害と生活習慣、女性は身体機能低下との関連が認められた」と、第33回同学会(8月27~29日)で報告した。・・・ 夜間多尿、非肥満の女性でも睡眠時無呼吸を疑え! 夜間多尿の原因の1つに睡眠時無呼吸症候群(SAS)がある。SASの頻度は女性より男性で高く、いびきを伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重要な危険因子として肥満が知られるが、非肥満者でも発症しうる。四谷メディカルキューブ(東京都)女性泌尿器科科長の下稲葉美佐氏は、第33回日本排尿機能学会(8月27~29日)で、夜間多尿と診断し、SASを疑う検査所見を認めたため持続陽圧呼吸(CPAP)療法を開始した非肥満例を含む50~70歳代女性の3例を報告した。・・・ 過活動膀胱へのビベグロン、症状改善の確率は? 過活動膀胱(OAB)に対する抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬の有効性は広く確立されており、治療効果は主にプラセボなど対照群との比較における有意差に基づき評価される。だが、プラセボ群でも症状改善が認められることがあり、実臨床で患者に提示すべき「症状改善が得られる確率」や「期待される効果量」などの検討は十分でない。東京都立多摩南部地域病院泌尿器科の山本卓宜氏は、ベイズ試験間統合解析を実施し、OABに対するビベグロンの有効性の事後確率、臨床的意思決定閾値の超過確率などを検討。結果を第33回日本排尿機能学会(8月27~29日)で報告した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る