「潮吹き」「中折れ」、俗語をどう医学用語に変換? 性機能領域では、「インポテンス(性的不能)」のように時代にそぐわない用語が「勃起障害(ED)」に置き換わった経緯がある。しかし、「床オナ」「潮吹き」「中折れ」といった俗語・慣用語が診療現場でも使用され、科学的・臨床医学的な用語の整理が課題となっている。こうした背景から、日本性機能学会に初めて用語委員会が設けられた。用語委員会委員長で山口大学大学院泌尿器科学教授の白石晃司氏は、第36回日本性機能学会(9月18~20日)でこれらの俗語を医学的・科学的な言葉に置き換える案を示した。・・・ 女性が性機能障害の受診をためらう理由が明らかに 性機能障害は有病率が高くQOLに多大な影響を及ぼす健康問題にもかかわらず、女性では医療機関の受診率が低く、特に東アジアで顕著とされる。日本では性の話題がタブー視されやすく、女性で障壁が大きい可能性があるものの、男女・年齢別に受診障壁を統計学的に検討した研究はなかった。岡山大学病院腎泌尿器科の森分貴俊氏は、女性が性機能障害での受診をためらう要因を探った多施設横断研究の結果について、第36回日本性機能学会(9月18~20日)で報告した。・・・ 勃起障害治療「受診を阻む壁」が明らかに 勃起障害(ED)は成人男性に広く見られる性機能障害の1つだが、実際に治療を受けた患者と、治療を望みながら受診に至らない患者を分ける要因は明らかでない。香川大学泌尿器科学内講師の土肥洋一郎氏は、第36回日本性機能学会(9月18~20日)で、同学会が主導した男性性機能に関する全国疫学調査(World J Mens Health 2025; 43: 239-248)の二次的解析結果を発表。「主観的認識におけるED患者のうち実際に治療を受けた『治療受療者』と未治療だが治療を望む『治療意欲者』にはギャップがあり、特に中高年でその傾向が顕著だった」と報告した。・・・ EDより重要? 挙児希望男性に確認すべき2点 男性不妊症の原因の1つとして性機能障害の関与が指摘されているが、男性の性機能と挙児との関連を検討した報告は少ない。第36回日本性機能学会(9月18~20日)で、山口大学大学院泌尿器科学の岡真太郎氏は、日本性機能学会臨床研究促進委員会が主導した全国インターネット調査データを用いた解析結果を報告。勃起障害(ED)と挙児との関連は認められなかったという。ただし、挙児を希望する男性では確認すべき重要なポイントが2つあるとして、注意を促した。・・・ 勃起機能評価法、ED判定割合に約3倍の開き 中高年男性の性機能を評価する際は、評価法の特性を踏まえた解釈が重要となる。関西医科大学病院腎泌尿器外科病院准教授の谷口久哲氏は、2023年に日本性機能学会臨床研究促進委員会が主導した全国調査データベースを用い、日本人中高年男性における性行動、勃起機能および性的満足度を多面的に解析した結果を、第36回日本性機能学会(9月18~20日)で報告。「評価法によっては、勃起障害(ED)の判定結果に約3倍の開きがあった」と指摘した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る