Lancetセミナー:最新の喘息診療
付けたり:三方ヶ原の戦い、長篠の戦い、雷雨による喘息大量発生、吉田松陰・飛耳長目
Lancet(2023 Mar 11; 401: 858-873)に喘息(12歳以上)のセミナーがあり、だいぶ様変わりしているのに仰天しました。大雑把にいうとSABA(短時間作用性β2刺激薬)過剰使用+吸入ステロイド薬(ICS)不十分量は死亡率が高いため、LABA(長時間作用性β2刺激薬)+ICSの段階的ステップアップに代わってきました。
また生物学的製剤の出現により重症喘息に対応できるようになりました。特にIgEが絡む喘息ではゾレア、ファセンラ、デュピクセント、ヌーカラが有用ですし、IgEが関与しない喘息に対してもテゼスパイア(テゼペルマブ:抗ヒトTSLPモノクローナル抗体)が国内でも2022年11月に薬価収載となり重症喘息も戦えるようになりました。
IgEが関与するかどうかは血中好酸球増加とFeNO(呼気一酸化窒素濃度)で判断しますからFeNO計測は必須です。
喘息が個々の患者の病態により治療を修正する精密医療(precision medicine)の時代に入ったのです。FeNOなんて小生恥ずかしながら全く知らなかったので、慌てふためいて西伊豆健育会病院でも急遽購入することとしました。
長男に尋ねたところ、どこの病院でも普通に計測しているとのことでした。知らないということは恐ろしいことだとつくづく思いました。
本稿はLancet(2023 Mar 11; 401: 858-873)総説「Asthma」を軸にしてN Engl J Med(2022 Jan 13; 386: 157-171)の総説「Biologic Therapies for Severe Asthma」のポイントを追加してまとめました。長文ですので時間のない方は最重要点のみの怒濤の反復を行ってください。
Lancet(2023 Mar 11; 401: 858-873)のセミナー「喘息」の最重要点は下記11点です。
- SABA過剰使用+ICS不十分量は喘息悪化、死亡率高い。極力LABA+ICSに移行
- 思春期、成人喘息はICS+LABA漸増。レスキューも同じ。LAMA、LTRA追加も可
- 5歳未満はSABA、頻回ならICS定期を。5~11歳はSABAにICSかICS+LABA追加
- 喘息は3カ月コントロールできればICS 25~30%減量、追加薬中止。花粉+雷雨で雷雨喘息
- 5歳前の喘息診断は困難。5~7歳からreversibility test、PEF、FeNOなど可能
- 小児喘息にアレルギー性鼻炎多い。肥満は悪化リスク。慢性咳嗽と咳喘息の鑑別難しい→ICSを
- Type2-high喘息はTh2細胞とILC2sが介在しIL-4、5、13が関与、治療標的とする
- Type2-highは好酸球>300/μL、FeNO>25ppb。気道上皮からTSLP→肥満細胞刺激
- 重症で好酸球↑時ゾレア、ヌーカラ、ファセンラ、デュピクセント。テゼスパイアは好酸球不問。インフルエンザワクチン接種!
- 経口ステロイド使用時のCOVID-19で死亡率増加。生物学的製剤でステロイド減らせるが副腎不全に注意
- 10歳前発症喘息は男性に多く60%寛解、成人発症は女性に多く5~15%寛解
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仲田 和正(なかだ かずまさ)
西伊豆健育会病院病院長。1978年に自治医科大学卒業、静岡県立中央病院(現静岡県立総合病院)全科ローテート研修、1980年に浜松医科大学麻酔科研修(4~9月)、静岡県国民健康保険佐久間病院外科・整形外科。1984年に自治医科大学整形外科、大学院、1988年に静岡県島田市民病院整形外科、1991年に静岡県西伊豆病院整形外科。
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