ACL再建後のPRP療法は本当に「意味がない」のか?
メタ解析とRCTをDoctor’s Eyeで読み直す
研究の背景:メタ解析の結論は「明確なメリットは乏しい」
前十字靱帯再建術(ACLR)に対する多血小板血漿(PRP)療法併用の有効性を検証したメタ解析が最近発表された(Front Bioeng Biotechnol 2025: 13: 1625271)。この研究は15年分のランダム化比較試験(RCT)を中心に検証したもので、「PRP療法は短期的な痛みの軽減以外には機能改善も靱帯成熟もなく、明確なメリットは乏しい」と結論付けている。具体的には、併用により術後3カ月のVisual Analogue Scale(VAS)は有意に低下するものの、International Knee Documentation Committee(IKDC)スコアやLysholmスコアの改善は臨床最小効果量(MCID)に届かず、グラフト成熟や膝不安定性にも有意な影響は認められないとしている。
このメタ解析には、2024年に発表されたYeらのRCT(JAMA Netw Open 2024; 7: e2410134、関連記事「前十字靭帯再建術後のPRP注射に効果なし」)も含まれている。これは前十字靱帯(ACL)再建後の患者120例を対象に、術後1カ月ごとに3回の関節内PRP注射群と無注射群を比較した試験である。主要評価項目は「ACLR後12カ月時点の膝関節損傷・変形性関節症の転帰スコア(KOOS)下位尺度4項目の平均」で、結果はPRP群78.3、対照群76.8とわずかな差にとどまり、有意差なし(調整後差2.0ポイント、95%CI-2.3~6.3、P=0.36)という結論であった。
ここまで読むと、「やはりPRP療法はACL再建後には意味がないのでは?」と思いたくなるだろう。しかし、Yeらの論文を少し掘り下げてみると、重要なポイントが見えてくる。
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