ドクターズアイ 橋本洋一郎(脳卒中)

IATは再灌流成功と90日転帰のギャップを埋められるか

ATLAS-ER

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研究の背景:EVTの補助療法としてのIATの有効性は依然として不明確

 血管内血栓除去術(endovascular thrombectomy:EVT)は、前方循環と後方循環の両方における大血管閉塞性脳卒中(large vessel occlusion stroke:LVOS)の標準治療である。再開通の成功率(通常、TICI 2b~3 と定義され、約80%以上の症例で達成)が高いにもかかわらず、90日で良好な機能的転帰を達成する患者の割合は大幅に少なくなり、50%未満である。

 LVOSにおけるEVTの補助療法としての動脈内血栓溶解療法(intra-arterial thrombolysis:IAT)の有効性と安全性は依然として不明確であり、最近のランダム化比較試験(RCT)では相反する結果が得られている。今回紹介するシステマチックレビューおよびメタ解析(Adjunctive Thrombolytics After Successful Endovascular Reperfusion:ATLAS-ER)は、LVOS患者におけるEVT成功後のIATの影響を評価することを目的とした(Ann Neurol 2025; 98: 1299-1314)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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