大腸がん肝転移、局所治療の土俵に乗せる症例は?
患者選択プロセスとしての全身治療
研究の背景:「同時性か異時性か」の先へ
大腸がん肝転移では、「同時性か、異時性か」という時間的な分類が使われる。同時性遠隔転移は腫瘍生物学的にaggressiveで、異時性転移より予後不良と考えられることが多い。
しかし、われわれは実臨床で「同時性か異時性か」だけを見ているわけではない。腫瘍数、腫瘍径、CEA(carcinoembryonic antigen、腫瘍マーカーの1種)、RAS/BRAF変異、原発巣の部位、肝外病変の有無、全身状態、そして局所治療の到達性を見ている。同時性/異時性というラベルは重要だが、それだけで患者の予後や治療方針が決まるわけではない。すなわち、予後を規定しているのは「同時性」という時間的ラベルそのものなのか。それとも、同時性として見つかる症例に多い腫瘍負荷、生物学的リスク、局所治療への到達困難性なのか。
Kemna氏らは、大腸がん肝転移(colorectal cancer liver metastasis;CRLM)を有する患者において、転移の検出時期と生存との関連を、腫瘍因子および治療戦略を含めて検討している。「同時性だから予後が悪い」という従来のイメージを、もう一段分解した点が興味深い(JAMA Netw Open 2026; 9: e262088)。
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