「早発白髪」は肺線維症の遺伝学的背景を疑う手がかり

問診票に「白髪が目立ち始めた年齢」を追加してみては

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研究の背景:家族性肺線維症と関連する早発白髪

 肺線維症の一部は遺伝的素因により発症することが知られており、中でもテロメア関連遺伝子(telomere-related genes;TRG)の病的バリアントは、家族性肺線維症の最も頻度の高い遺伝学的原因である。TRG病的バリアントを有する患者は、肺線維症の予後不良、血液疾患や肝疾患の合併、肺移植後の合併症リスク上昇など、臨床的に重要な特徴を呈する。

 早発白髪という、観察が容易ながらこれまで定量的検証がなされてこなかった所見が注目されてきた。欧州呼吸器学会(ERS)の家族性肺線維症ステートメント(Eur Respir J 2023; 61: 2201383)および米国Pulmonary Fibrosis Foundationの遺伝的検査ワークグループの見解(Chest 2022; 162: 394-405)では、若年発症の白髪を遺伝学的検査の適応基準の1つとして提案してきたが、この閾値は実データで検証されていなかった。


倉原 優 (くらはら ゆう)

国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。

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